「禁煙すると肌がキレイになる?」「禁煙をして肌の変化を感じられるのはいつから?」という疑問を抱えていませんか。今回は、禁煙開始からどれぐらいの期間で肌の変化を感じるのか、また禁煙によるメリットについて解説します。
禁煙による肌の変化について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
禁煙による肌の変化はいつから?

禁煙を開始すると、喫煙によりダメージを受けていた肌が回復し始めるといわれています。まずは、禁煙開始から2週間の経過をみていきましょう。
禁煙開始から2週間後に肌が変化し始める
禁煙開始から2週間目までにみられる体のメリットについて表にまとめてみました。
| 禁煙開始からの 時間経過 | 禁煙による体のメリット |
| 20分後 | 血圧と脈拍が下がり始める |
| 24時間後 | 心臓発作のリスクが軽減し始める |
| 48時間後 | 味覚・嗅覚・胃の働きが元に戻り始める |
| 72時間後 | 肺活量や気管支の機能が回復し、運動機能が回復し始める |
| 1週間後 | 睡眠の質が向上し始める |
| 2週間後 | ・喫煙により傷んでいた肌がダメージから回復し始める ・手足の冷えが軽減し始める |
参考:くにちか内科クリニック「禁煙後におきる体の変化」
厚生労働省 e-ヘルスネット「禁煙の効果」
まず、禁煙を始めて20分後には、体が喫煙のダメージから回復し始めます。禁煙開始から3日後には、ニコチンが体内から完全に抜けて、徐々に身体機能が回復していくといわれています。
そして、禁煙開始から1週間後には睡眠の質が向上し始め、2週間後には肌のダメージが回復し始める、という流れになります。
禁煙をしたら肌は綺麗になる?

禁煙をすると、タバコを吸っていた頃よりも肌の調子が良くなるといわれています。その理由は以下の通りです。
- 禁煙によりビタミンCが作用するようになる
- 禁煙により血行がよくなる
- 禁煙により女性ホルモンの分泌が向上する
禁煙によりビタミンCが作用するようになる
禁煙開始から2週間後、肌が徐々にハリや透明感を取り戻し始める理由の1つに、ビタミンCの作用が挙げられます。実は、喫煙によりビタミンCが破壊され、1~2本タバコを吸うことで1日に必要なビタミンCが失われるともいわれています。
ビタミンCは体内で合成できない栄養素であり、タバコを吸うことで、ビタミンC不足を引き起こすおそれがあるのです。
ビタミンCが作用すると肌の老化スピードがゆるやかになる
ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持に役立つとされ、いわゆる老化防止への効果が期待されています。禁煙によりビタミンCが正常に作用すると、肌の弾力を保つとされるコラーゲンが生成され、皮膚のメラニン色素生成を抑える働きを果たすのです。
喫煙中は、ビタミンC不足により肌の老化スピードが加速するおそれがあります。しかし禁煙によりビタミンCが作用すれば、理論上は、老化スピードをゆるめることにつながります。
参考:健康長寿ネット「ビタミンCの働きの1日の摂取量」
Cell Bank 【医師監修】「タバコ顔」とは?喫煙とお肌の老化の関係について
禁煙により血行がよくなる
タバコを吸うとニコチンの作用により血管が収縮し、血行が悪くなります。血行が悪くなると、肌は荒れ、シワが増えてしまいます。そして、スモーカーズ・フェイス、いわゆるタバコ顔になってしまうのです。
禁煙により収縮していた血管が少しずつ回復していき血行が良くなることで、細胞に栄養が届き、肌が変化し始めます。
タバコ顔とは
タバコ顔について詳しくみていきましょう。タバコ顔とは、喫煙により実年齢よりも老けて見えてしまう顔をさします。
喫煙により現れるとされる肌の変化と、トラブルを表にまとめてみました。
| 肌の変化 | 出現しやすい部位やトラブル |
| 細かいシワ | ・目尻のシワ ・上唇のシワ |
| 肌の衰え | ・肌の弾力低下 ・吹き出物が出る |
| たるみ | ・上まぶた・下まぶたのたるみ ・頬骨が目立つ ・二重顎 |
| 顔色の悪さ | ・目の下のクマ ・まぶたの色素沈着 ・歯肉の黒ずみ ・ほうれい線 ・顔の浅黒さ |
タバコを吸うとニコチンの作用で血管が収縮し、肌に酸素が届きにくくなります。また、ニコチンを摂取することで、ビタミンCが破壊されるといわれています。
ビタミンC不足により、シミの原因となるメラニン色素生成を抑えたり、肌のハリに必要なコラーゲンを作ることができなくなったりするため、結果的にタバコ顔へとつながるようです。
参考:開邦クリニック
Cell Bank 【医師監修】「タバコ顔」とは?喫煙とお肌の老化の関係について
+Fast DOCTOR 「タバコ、やめて」大切な人に伝えたい10のこと-後編-
禁煙により女性ホルモンの分泌が増加する
タバコを吸ってニコチンを摂取すると、女性ホルモンの代謝が阻害され、分泌も低下するといわれています。女性特有のホルモン「エストロゲン」は「美肌ホルモン」とも呼ばれ、肌の新陳代謝を促進する作用があるそうです。
つまり、喫煙により低下していたホルモン分泌が禁煙により増加することで、傷んでいた肌に変化が出始めるのです。
女性ホルモンのはたらき
女性ホルモンの役割は以下の通りです。
- 子宮内膜を厚くして妊娠に備える
- 女性らしいカラダをつくる
- 自律神経の働きを安定させる
- コラーゲン産生を促し、皮膚の潤いを保持
- シワの形成抑制
- 創傷治癒の促進
- 皮膚(表皮層)のバリア機能を促進
- カラダを健康に保つ
喫煙による女性ホルモンの分泌低下は、肌への影響だけでなく、生理不順や卵巣への血流障害による不妊のリスクを高めるおそれがあります。さらに、女性ホルモンが不足すると骨密度の低下につながり、骨折のリスクが高まるともいわれています。
加えて、女性ホルモンの分泌は年齢とともに減少していくものですが、分泌量の減少はカラダの不調や内臓のトラブル・病気のリスクへとつながっていくようです。
参考:Cell Bank 【医師監修】「タバコ顔」とは?喫煙とお肌の老化の関係について
最上クリニック「ホルモンバランスとエイジングケア」
女性のための健康ラボMint+「年齢とともに変化!女性ホルモン」
禁煙するとタバコ顔はどう変化する?

タバコを吸うと、ビタミンCの破壊・血行不良・女性ホルモンの分泌量低下などの影響でタバコ顔になるおそれがあることがわかりました。禁煙するとタバコ顔はどう変化するのでしょうか。
1度ダメージを受けた細胞は元通りにはならない
喫煙を続けていると肌の老化スピードが加速し続けてしまうため、まずは禁煙をして肌の老化を食い止めましょう。喫煙により1度ダメージを受けた細胞は、完全に元通りにはならないとされています。
禁煙を開始することで「タバコ顔が治る」というわけではありませんが、禁煙開始から2週間経過すると、肌は回復し始めます。女性は化粧ノリの良さを感じるかもしれません。喫煙によるタバコ顔により、老けて見られることにお悩みの場合は、思い切って禁煙に取り組んでみましょう。
参考:Cell Bank 【医師監修】「タバコ顔」とは?喫煙とお肌の老化の関係について
くにちか内科クリニック「禁煙後におきる体の変化」
禁煙による肌の変化についてまとめ
今回は、禁煙による肌の変化について解説しました。喫煙による身体へのダメージは大きく、肌への影響も少なくありません。ニコチンを摂取することで、ビタミンCの破壊・血行不良・女性ホルモンの分泌低下が起こり、肌の老化スピードが加速する傾向にあることがわかりました。
禁煙開始から2週間後には、肌のハリ・ツヤ・透明感が出てくる可能性があるといわれています。現在喫煙中で、禁煙による肌の変化を感じたい方は、最短でも2週間の禁煙に挑戦してみてください。

